ウロウロ車いすを動かすのも疲れる…。地下街の床、学校の廊下みたいにまっ平らじゃないから余計に力が必要で疲れる。揺れるのがひどいと自分で動かしているのに車酔い。ひどい。目的だけを果たそう。とりあえずはショルダーバッグ‼
デパートのバッグ売り場でもいいや。ウィンドウショッピングなんてできないから。
条件・ショルダーバックである
・ファスナーで開け閉め可
・収納力
・細かいポケット
・色は青
かな?とりあえずは。
さて、あるかな?と、ウロウロしていても店員さんの眼中にない。
――実際に物を手にとって見ないとダメなのかな?
適当にショルダーバッグを手にとってみた。
「どのようなものをお探しですか?」
――あっさりと食いついたよ…
私は条件を言った。
「それでしたら…」と2・3種類持ってきた。
――なんか面倒になってきたな、この中から選ぼう
「それじゃ、これお願いします。カードで1回払いで」
夕食も近づいてるし、デパ地下で済ませちゃえ。と、デパ地下に行った。買い物の荷物、邪魔だ。どうしてデパートはここまで包装するんだろう?自宅用なのに。
てきとうにオカズを買った。さらに邪魔だなぁ。
あ、明日の朝食用にパン買おう!…トレーを持つと動けず。レジに行って「すいません、朝食用にパンが欲しいんですけど?」と言った。
「角食でかまいませんか?」
「かまいません!」というやり取りをパン屋でやった。
――車いすって思わぬ」不便だなぁ…
帰り道、タクシーで帰ろうと心に決めていた。荷物多いし。すると、予想を裏切るように外は雨。傘をさすほど、手は空いていない。空いていたとしても、この高さで傘を開くと道行く人に傘が激突してしまう。
ダッシュでタクシー乗り場まで行き、タクシーに乗り家路についた
うちオートロックだ…エントランスで鍵と荷物と自動ドアと戦うことになった。荷物は落とさないように、鍵でオートロックを開け、自動ドアが閉まる前に自動ドアを通る。
結構、いやかなり気を遣う。雨で床濡れてるし。
今回の外出の課題は
・先に行き先をチェックしておく
・買うものだけを買う→リストを書いておく
・エレベーターの有無確認
・車いす用トイレの場所確認
・天候確認
やたら確認だらけだなぁ。でも確認は大事だと今回痛感した。
車いすで酔いそうになり、買ったものはかなり邪魔で、突然の雨。陰謀の匂いすら感じるほどだよ…
夕食はデパ地下で買ったものがあるなぁ。あと、白いご飯が欲しい。
――米研ぐかぁ。
これがまた結構な重労働だった。研ぐまではいいとして、その後釜を炊飯器にセットするまで運ぶのに伝い歩きは出来るものの重い!落とすわけにいかない。
と、自分の中で心理戦を行い炊飯器にセットし終えた。
夕食にこんなに労力を使い、私は明日の弁当どうしよう?とりあえず、角食の欠片持ってこうかな
その日は風呂でも、労力を使った。もう面倒だ、シャワーだけでいいや。とはいうものの髪を洗えばこのロングヘアーはそうそう乾かない。足元に気をつけないと風呂場の床は滑るから。労力というか気疲れか。風呂は本来ならばリフレッシュ空間なのに、気を使いっぱなし。
明日はどうしよう?
今日の朝食は角食がある。デパ地下のやつだから、美味しい朝食♡ …弁当マジで角食の欠片だよ。
学校にて
「あ、佐伯君相談なんだけど。いいかな?」
女子の視線がうるさいけど、相談相手が佐伯君しかいないんだ。しかたなかろう?
「買い物、大変なんだ。物理的にね。どうしたらいいかな?」
「一緒に行こうか?」
「ダメ!女子は男子に知られたくない買い物だってあるんだから‼どうしてもの時は頼むケド」
「うーん、ネット通販とか?最近食品とかもネットで買い物できるはず!」
「ありがとう!試してみるね。実は今日の昼食弁当を作る労力なくて、角食の欠片…」
「え?それは…。なんか購買で俺が買ってこようか?」
「ついでならともかく、そこまでしてもらうのは気が引けるよ。角食美味しいし、それはそれでいいんだ」
「昼飯、俺ら。あ、サッカー部の連中ね。と一緒に食べないか?女子で仲良くしてるの見ない。というか、女子が疋田さんを毛嫌いしてるよね」
――うーん、こうして話しているのも要因なんだけど
「飯くらい楽しく食いたいじゃん!俺、連れてくよ。サッカー部のみんなのトコに。そうすれば楽しいだろ?」
――また、男子はべらせて女王気どりとか言われそうだなぁ。でも有難し
「それじゃ、お邪魔させてもらおうかな」
「サッカー部のみんなも喜ぶよ。みんなのアイドル疋田さんが来るんだからな」
――アイドル…そうだったのか
「夕飯の時間だ。皆の者用意はいいか?」とキャプテン。「イエッサー」「⁇」と織田さ…亨さん。 みんなカップ麺持参でキッチンの電気ポットを使い始めた。「ヒカルさん、これはいつものことなのかい?」「そうですけど?何か?ヤカンがあると便利ですよねー」「そうじゃなくて、夕食後も居座る気で来ているということか?毎回」「私の女友達も混ざりますよ?彼女には私が手料理振る舞いますけど」「疋田兄妹、どうかした?」「今日の夕飯はどっちが作るかって話ですよ(笑)」「亨さんも食べていきますよね?作ります?作れます?」「二人分か…難しいな。メニューはどうする?」「冷蔵庫にあるもので。あ、明日の弁当のおかずの分は残してくださいね」 亨さんが冷蔵庫にあるもので、パパっと作ることに決定した。「疋田兄妹のそれは?すっごいうまそー、何ですか?」「あー俺が適当に作ったから名前はないよ」 確かにすごく美味しい‼ 亨さんのスペックがまた上がった。「食べたら再開だぞ‼」「ヒカルさん、コレは何時くらいまでやってるの?」「うーん22時くらいかな?」「やっぱり危機感持った方がいいよ、君は」「おつかれー、今日もありがとうございましたー」×8「で、亨さんはいつまでいるんですか?」「つれないね。これでも婚約者(仮)なのに」「彼らは確かに信頼できるよ。本当に勉強目的でここに来ている」 亨さんの顔つきが変わった気がする。「でもな…」 そう言って、ヒカルは押し倒された。「誰かのタガが外れてしまったら?どうなるだろう?」「私の女友達がいるときだってあるし」「今日はいなかった。そんな時はどうする?」 亨さんの顔つきは元のようになってヒカルを起こした。「俺は心配だよ。毎回俺も同席したらダメかな?」「お好きにどうぞ。私は教師が増えて助かるわ」「毎日コレやってるのかい?」「ほぼ毎日」「俺にもヒカルさんに毎日会えるっていうメリットはあるしね。じゃあ、俺はこれから毎日ここに通う」「わかったわ。何か変更、例えば合宿があるとかがあればその時連絡するってことで」「OK」はぁ、亨さん、痛いとこつくなぁ。わかってはいるんだけど、つもりなのかなぁ?まぁ、教師が増えるのは助かるしいっかぁ。と、ヒカルがふとキッチンに目をやると明日の弁当ができていた。『このままレンジで温めれば
「織田さん‼来るなら来ると、予め…」「俺のことは亨で構わない」「改めて、亨さん‼来るなら来ると、予め私に連絡をください。驚きますよ」「君こそなんだね?」「私のことはヒカルでいいですよ」「ヒカルさんはなんですか?上級生をあんなに自宅に連れ込んで…」「勉強会です」「ヒカルさんはもう少し危機感を持たないと危ない。逆に男を教えられることになりかねませんよ?」「私は彼らを信頼しています」「裏切るかもしれない。私は婚約者(仮)として見ていられない。私をヒカルさんの兄として同席してもいいかな?」「どうぞ。今日はどういった用件でうちの側までいらしていたんですか?」「スクールライフを邪魔してはいけないが、ヒカルさんに会いたくてね」――あぁ、そうですか「では、どうぞ。彼らに私の兄として紹介しますよ」「先輩方待たせてしまってすいません。兄が突然来て驚いてしまったもので…」「初めまして。疋田亨です。妹がいつもお世話になっています」「いえ、俺らの方がお世話になってます。」「今日は兄も同席するけど構わないでしょ?兄は頭いいのよ」「それは助かる。お願いします‼」 全部サッカー部の交渉はキャプテンがしてくれた。「いやぁ、お兄さんもイケメンですね。しかも頭脳明晰で羨ましい。そして、なんですか?いいカラダしてますね。何か特別なスポーツしてるんですか?」「うーん、弓道かなぁ?あれは結構筋肉つくからねぇ」 会話が弾んでる?「うちの中に入ろうよー」「何でヒカルさんは上級生の勉強看てるの?」「私の方がわかるから」「疋田さーん、どっちでもー、俺を助けてー。」「俺が行くよ」「疋田さん、俺もこの問題わかんないよ」「自分で試行錯誤してその上でわかんないときに呼んでくださいね。私も宿題ありますので」「お兄さんはいくつですか?」「24歳だけど?どうした?」「いえ、単純に気になっただけでーす」「ほら、俺の年より問題を解け!」「はーい。スパルタですね」
「はぁ?ヒカルマジで婚約したの?」「一応ね。条件とか見て事務的に。トキメキみたいな乙女チックなものはないよ」「はぁー、この学校の男子が凹むわー」「何で?」「ヒカル、鈍いなぁ。男子のマドンナ的存在なんだよ?」――そうだったのか…「そんじゃ、婚約の話はココだけでね」 何故だろう?コノハにしか話してない私の婚約の話がそこかしこに聞かれる。「疋田さん、マジで婚約したの?」と女子。――普段なら絶対話しかけてこないのに、私のスキャンダル的なの好きだなぁ「一応」と答えておいた。真実を言った方がいい。「そうなんだぁ」と嬉しそうだ。そう、他人の不幸を喜ぶように。「どんな人なの?」――続くな…「IT関係の会社次男。司法試験合格の資格を持ってる国立大工学部の学生だよ」「法学部?」「工学部でコンピューターの勉強してるの」――結局、全部言ったよ。めんどくさいなぁ「学歴とか嘘じゃないの?」若干の笑みが見える。騙されてるんじゃない?みたいな。「見合いの席で嘘ついたら母が激怒して、相手の男の会社になんかやらかすよ」――マジでうざいなぁ「納得してもらえた?」「わかった。疋田さん、婚約したんだってー‼」とクラス中に響く声で言った。その声はおそらくところどころ他のクラス・学年に聞こえているだろう。――これだから女子は嫌なんだよ。関わりたくなかったのに「えーと、あなたの名前は?」「えいだB子」偽名か…小癪な。「まぁ、監視カメラをハッキングしてあとで確認の上処分を決めようと思う。それじゃあね、えいだB子さん」――えーっと、えいだB子さんはっと。 楽勝で見つかった。本名、志中桂子。家は、昔から続く鰻屋ね。うーん、昔から続く鰻屋かぁ。つぶすには惜しいよね。どこか適当なとこに吸収合併ってのも難しいなぁ。 本人に退学してもらおうかな?他にも学校はたくさんあるし。 翌日、志中桂子さんの退学を通知する紙が掲示板に張り出された。 大人げないんだけど、名前を偽名使ったのが気に入らない。人を小馬鹿にしていて。昔からの鰻屋だからつぶされはしないとふんでたんでしょうけど、お生憎様。本人がこの学校からサヨウナラです。「コノハ!」何故かビクビクしてる。「何で怯えてる?」「ヒカル、気に入らないと退学とかするの?」「あぁ、特殊な場合ね。コノハ怯える理由ないよ」「だ
母に怒られた。当然なんだけど、あんなボンボンと結婚して面倒みてくのはゴメンだ。「私だって、あの子の面倒見ていくのは嫌だけどね。私にも面子があるんだから、以後慎みなさい」 と、言われた。自分が嫌だと思うようなのを私の見合い相手にしないでほしいもんだ。「あれ?疋田さん振袖?どうしたの?」「あ、佐伯君。あぁ、何でもないの。ただの見合いよ」「ただのじゃないだろ?人生決めるのに」 そして私が見合いをしたという噂は翌日学校中に広がっていた。「俺は言ってない」と佐伯君。まぁそうなんだろう。どこで誰が見てるかわからないからなぁ。「決めたの~?」と普段会話もしようとしない女子が話しかけてくる。「見合いは1回じゃないし」と答えておいた。――女子の対応メンドクサイ…コノハは別だけど「ヒカル…お見合いしたって噂…」「あー、マジだよ。うち一応会社経営してるからさ、跡取り探しね」「いろいろ大変なんだね。なんか役に立てることあったらいつでも声かけてね!」「陸上部のみんなは成績伸びた?」「軒並みね。ありがとー‼これからも鍛錬つづけるよ」「あー、あんまり一部を鍛えすぎないで全体的にね。そんで指示したとこが飛びぬけてる…みたいな」「了解!みんなにも伝えとくよー」 と、コノハは走り去った。速い。 第二回目の見合い。「見合いの相手選ぶのも大変なんだから、あんまり怒らせないで。そして、途中で消えるとか止めてね」 と母。「それなら見合い前の相手を選ぶって作業を私にやらせてよ」「…それもそうね。今度からそうしましょ」 今回の相手もIT関係の会社の次男、金を株に投資して失敗したということだ。笑えない。――失敗して何を笑っているんだ?笑えないぞ?「お金の関係で失敗は笑えませんけど?」と、言うと黙ってしまった。もっと自己アピールをしてこいよ。つまらんな。高校生だと思ってなめてたんじゃないか?‘投資=すごぉい’みたいな。でも失敗はなぁ。私も投資はするし。アピール失敗だな。「この後、約束があるので失礼します」と、去ることにした。 また母に怒られたが、「消えてないじゃん」と反論した。今回は帰る宣言の下で帰ったんだから、という主張。「まぁ、投資で失敗は何のアピールポイントでもないわね。そのあともアピールなかったし。その程度の男に会社の権利は渡せないわ」「だから、
陸上部にて「まだ完全には筋肉を理解してないから、とりあえず左右のバランスをフォームで気をつけてください。筋肉はその後ですね。フォームを固めないことにはどうにも。汚いフォームでよいタイム・点数は期待できませんから」サッカー部にて「まずはコンビネーションをしっかりと。個人の能力を筋力で上げても個人競技でない以上コンビネーションが重要になるので、その辺を考えて動いてください。指示はキャプテンよろしくお願いします」――はぁ、早く筋肉の勉強終わらせないとなぁ。3年生最後の大会まで間に合わないよー‼短距離:スタートの蹴り出し、足首の柔軟性、もも上げ、もも引きつけ長距離:腹筋、肺活量上昇ハードル:短距離+股関節柔軟幅跳び:蹴り出し、腹筋、背筋、空中での姿勢の安定棒高跳び:柔軟、腹筋、背筋 目標体脂肪率 1桁‼ というのは見てれば分かるんだけど、だからその筋肉は何でどうすれば鍛えれるのか、はっきりしたいなぁ。今日はサッカー部の戦力分析だなGK:原(3年)、小西(2年)、坪井(1年) 3名MF:吉田(3年)、相川(2年)、畠山(1年)、中村(1年)、田代(1年) 5名DF:桑田(3年)、和田(2年)、林道(1年)、畑中(1年)、岩山(1年) 5名FW:兵藤(3年)、白石(2年)、佐伯(1年)、李(1年)、古賀(1年)、鈴木(1年) 6名 うーん思ったよりも弱小の部だなぁ。実際に見ると、2・3年がかなりのハバをきかせてるけど。実際の試合に1年を4人レギュラーか…キツイ現状だなぁ。やっぱりコンビネーションなんとかうまくやってほしいもんだ。 あ、周りをよく見ているも戦力として重要だな。個人プレーになっちゃうし。 他を活かすとか?…などと入力を続けるととんでもないことになった。…これ、キャプテンに見せていいのかな?「PCがはじき出したレギュラー(今のところ)なんですけど… GK:原(3年) MF:吉田(3年)、相川(2年)、田代(1年) DF:桑田(3年)、畑中(1年)、林道(1年) FW:兵藤(3年)、白石(2年)、佐伯(1年)、李(1年)なんです。和田先輩、レギュラーから外れました。」 そう言うと、和田先輩が「PC様が言ったことだろう?キャプテンがどう考えるかだよ」「PCの判断の通り
今日は運動生理学の勉強するかぁ。それにしても、噂の出所はあの小心者のサッカー部員!ここのうち出禁にしてやろうか?まったく厄介だなぁ。名前も知らないが誰だよ?全くもうっ!翌日サッカー部へ「監督お借りしていたPC、陸上部の情報もいれることになったので、私個人のPCを使うことにしました。それで今日はお返しにきました」「それなら職員室とかでもよかったのに」――そういえばそうだ「サッカー部・陸上部の情報、及び私が勝手に作ったプログラムも完全に消去してあります。確認をお願いします。情報漏洩があってはいけないですから」「了解した」「しかし、お前が作ったプログラムは起動方法すらわからないぞ」「では後日、職員室で構いませんか?」「ああ」「あの、相談があるのですが構いませんか?」「何だ?」「1年サッカー部員の中で私が筋肉の勉強をしているさまをみて、その様子を口外した人がいるようなんです。口外は問題ではないのですが、噂にオヒレがついて『私が死体の筋肉を見ている』等の噂になってしまったようで…。確かに死体の筋肉でしょうし、正しいといえばそうなんですが、私を異常者のように言う噂になったんですよね」「それは困ったな」「ただ、筋肉の勉強をしていただけなんです。それがこのようにいわれるのは心外です」「その1年、ちょっと灸をすえておくか。こんなんで疋田がマネージャー降りるとか言ったら困るのは俺らサッカー部だからな。「助かります」「今後はこのようなことがないように指導をしていく。それでいいな」「お願いします」やれやれ、ここまでしないといけないのか。困ったちゃんだな。親の力を借りればすぐに済む話だが、出来れば頼りたくないのだ。サッカー部にて「お前ら、疋田さんの家にお邪魔してたのか?」とキャプテン「部活が休みの時に宿題を教わりに…陸上部の蓮野もいました」「女子だろう?」「なかなか教えてもらえないんですよね。蓮野優先だし、本当にわからない場合のみ教われるので」「1年は佐伯に教えてもらえばよかろう」「佐伯!キャプテン命令だ。疋田さんの家に今日お邪魔する。サッカー部員の非礼を詫びる」「わかりました」放課後、今日も筋肉の勉強しなきゃなー。と思っていたら、「疋田さん、今日家にお邪魔していい?」と佐伯君「今日は晴れてるし部活じゃないの?」「いや、